DAシンポジウム 2020
主査から DAシンポジウム オンライン開催決定に関して
2020年初頭より世界に広がった新型コロナウィルスは私たちの生活を大きく変容させました。オンライン授業やテレワークが一般的となり、ソーシャルディスタンスや三密という新しい言葉を生み出しました。残念ながら沢山の人々の命や健康がコロナにより奪われましたが、日本では、国民の努力により感染の広がりは下火となっており、6月19日には国内の移動自粛も緩和される見込みです。

このような状況を受けて幹事団では、DAシンポジウムの開催形態に関して慎重に議論を続けてきました。コロナによりダメージを受けた日本経済の活性化を考えると自粛だけを続けるわけにはいきません。そこで、たとえばすべての宿泊室を個室にするなどの様々な対策を検討し、経済の活性化の一助となるべく、なんとか対面開催の可能性を探りました。

しかし、現状ではコロナウィルスの感染の拡大が抑えられているものの、9月での状況が不透明であること、合宿性での熱い議論が三密の状態を生み出す可能性が高いこと、及び、一部の大学、企業では出張の制限が上期いっぱい続く可能性が高いことにより対面での開催は難しいと判断せざるをえませんでした。

対面での熱い議論を今年は行うことはできませんが、オンラインならではの新しいコミュニケーションや、新しい議論方法を追及したいと考えています。「新しい生活様式」ならぬ、「新しいシンポジウム様式」を今年のオンラインでのDAシンポジウムを通じて生み出そうではありませんか。幹事団でも、活発で有為な議論を誘導するためのアイディアを出しあい、「新しいシンポジウム様式」のオンライン開催に備えたいと考えております。情報処理学会の中でも、DAシンポジウムは、多くの発表件数と多くの研究者が参加する活発なシンポジウムです。オンラインになっても私たちはこれまでの活発なシンポジウムを維持、さらに発展できると信じています。

なお、恒例となっておりましたDAシンポジウムにおける各種表彰式は別の機会に改めて開催する予定です。

末筆ながら、SLDM関係者を含むすべての感染された方、及び、そのご家族の方にお見舞いを申し上げ、まだまだ警戒状態が続く中、みなさまのご健康とご無事をお祈り申し上げます。

システムとLSIの設計技術研究会 (SLDM) 主査 NEC 主席技術主幹 中村祐一